「雨のコラム」

究極の目標と貝原益軒

 江戸時代の医薬に関する学問の本草学者であり、教育学者の貝原益軒は、1713年、84才で集大成の健康な生活の暮し方についての解説書である「養生訓」を書き上げた。その「養生訓」の中で「薬やお茶を煎じるときは、清く、甘い水が良い。容器などを庭などにおいて、雨水を直接取って用いるのも味が良い。地下水に優る。」と言っています。化石燃料を使わない時代での話であるが、薬学者が自分で味わったことなどで興味深い話です。

 ところで、私の究極の目標は、雨を飲む社会にすることです。世界では、多くの地域で雨を飲んで生活しています。オーストラリアのタスマニアでは雨水をペットボトルに入れて販売していると聞きます。日本でも、三宅島などでは、過去に雨水を飲み続けて来た歴史があります。身体に何の異常もありません。

 もともと、雨水は蒸留水ですので非常にきれいです。しかし、自然界では大気中の二酸化炭素を吸収して、弱酸性です。しかし、日常生活で飲んだり使ったりするコカコーラやシャンプーの方がよほど酸性度は高い。雨水で洗髪するとより髪の毛がツヤツヤするとか、水道水にくらべて、植物の発育や発色が良いと言う実験結果があります。人間も雨水を飲むと、貝原益軒の様に長生きするのかもしれません。

 雨水を飲む場合、1つは、糞尿由来の病原性菌に気を付けねばなりませんが、その危険性は極めて低いものです。貝原益軒が言うように「雨水を直接取って用いる」は理にかなっていると思います。それは、屋根などを経由した雨水の昆虫や鳥のふん等をさける為ではないでしょうか。

 現在では、都市の場合は車や工場、農村では中国からの化石燃料起源の酸性雨に気をつけねばなりません。従って、飲む為には化石燃料に頼らない生活や社会が必用である。このことは、大気汚染のない、低炭素・脱温暖化社会を意味するのです。この様な社会ではいよいよ雨水の飲める社会に近づいて行きます。

上田 正幸 記
貝原益軒肖像

NPO法人 京都・雨水の会
京都市山科区御陵封ジ山町3の52
E-mail mail@amamizu.org

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