「特定非営利活動法人 京都・雨水の会」
設立趣旨書

2004年8月28日

法人格取得について
 「京都・雨水利用をすすめる会」を2001年5月に設立し、3年が経過しました。
 当初の大きな目的は2003年3月に開催された第3回世界水フォーラムの地域の受け皿でありました。
 第3回世界水フォーラムでは、世界や国内から来た仲間と共に「雨水利用分科会」や「世界水フォーラム」を開催し情報交換や参加者に問題提起をいたしました。最後に世界に向けて「世界水フォーラム雨水利用in京都宣言」を発信しました。
 私達はこの流れを受け、さらに社会の中に雨水利用を根づかせていく中で、社会に対して信頼性や透明性を構築するために、また、持続可能な組織・財源確保を目指してNPO法人化の道を選びました。

世界での水問題
 21 世紀は「水の世紀」といわれます。人口増加による絶対的な水不足、途上国を中心に水質の汚濁、過剰な地下水の汲み上げによる地下水の水位低下や汚染、干上がる川や湖、湖沼や海洋の汚染、環境ホルモンの脅威、気候変動などによって起る雨が降らない地域と大洪水の多発の地域、上昇する海面、酸性雨、ダムや堰など、水に関わる深刻な問題が山積しています。長く自然の中で働いた水循環を私達が狂わせ、多くの人間を含む動植物を苦しめたり、破壊したりしています。
 先進国では、蛇口をひねれば出てくる水、使い捨ての水。20世紀、私達は目先の豊かさ、便利さにとらわれ、水を浪費するライフスタイルを定着させてしまいました。この結果、トイレの水や撒水・洗車の水にも飲めるほど良質で貴重な水道水を利用し、大切な水資源とエネルギー資源を浪費しています。化石燃料起源のエネルギー消費は二酸化炭素を発生し、地球温暖化を促進し、その結果、責任のない途上国や次世代の人々の命や人権を侵害しています。水道水の節水と雨水利用は省エネルギーで、水資源の有効利用です。

近代の水政策
 近代、私たちは雨水を邪魔なものとして、都市をコンクリートなどで固め、雨水は一刻も早く河川に流して排除するという仕組みを作ってしまいました。このため、河川の流域は貯留という能力を失い、都市への過度の人口集中と相まって、ひとたび大雨が降れば河川は短時間に増水し、河川の下流域では、町に降った雨が排除できないという都市型洪水の被害も大きくなってきました。また下水処理場の能力をこえた場合は、都市の下水を処理できずそのまま汚物が川や海に流れ込み汚染を広げています。
 1995年の阪神大震災では水道が寸断されたため、震災により発生した火災を消火できずに大火災となり、多くの人命が失われました。震災のあとも水道を初めとするライフラインは容易に復旧せず、上下水道に頼った水洗便所は全く機能しませんでした。雨水利用は災害時にも威力を発揮します。
 近畿では、琵琶湖と豊富な地下水のおかげで雨水は無関心だったかもしれません。しかし、1994年の「列島渇水」や2000年夏も琵琶湖の水はピンチを迎え、その度に琵琶湖の環境はダメージを受けました。このようなピンチの中でも、琵琶湖の水に頼る近畿圏の1400万人は蛇口をひねれば水が出てきました。水源地や琵琶湖の事も考えたライフスタイルも考えましょう。  

活動の趣旨
 このような認識と教訓から、私達は、NPO法人「京都・雨水の会」を設立し、水循環の一部の雨水をキーワードにして「命の水」を考え、自然との共生の原点として行動していきます。
 雨水を貯留することで町のミニダムを造り、地下への浸透を併せて都市型洪水を防止し、ヒートアイランドを軽減します。また、遠方からのライフラインではなく、分散型のライフポイントの自然エネルギーとしての位置付けをし、平時は水資源の有効利用と、水道水利用に伴うエネルギーの節約による温暖化防止への寄与をします。非常時は防災用として、そして、災害時には非常用の水として利用します。
 更に、環境教育・学習と言う視点からも雨水は多くの事を教えてくれます。雨と仲良くなり自然を学びましょう。
 以上のように、極めて有効な雨水利用を普及啓発、調査研究することを通じて、水資源の重要性、水を大切にする事の重要性を世に訴え、もって豊かで潤いのある社会、文化を次世代に引き継ごうというものです。  


NPO法人 京都・雨水の会
京都市山科区御陵封ジ山町3の52
E-mail mail@amamizu.org

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