風速17mはどのくらいの強さ?緊急時に取るべき優先行動がすぐわかる

青空と風に揺れる菜の花のアップ

強風の予報を見て「外出していいのか」「物は飛ばされないか」と不安になる方は多いでしょう。

特に風速17メートル毎秒という数値はイメージしにくく、傘や自転車、屋根や看板にどう影響するのか分かりづらいのが問題です。

この記事では体感目安や気象区分、車両別の影響、屋外活動ごとの注意点まで具体的に示し、実践的な対策を提示します。

最大瞬間風速との違いや風圧の感覚、洗濯物や植木の飛散リスクといった日常で起きやすい事例も項目ごとに分かりやすく整理します。

結論を急がず、まずは自分や家族、周囲の安全を守るための判断基準を身に付けましょう。

続く本文で具体的な目安と優先行動を順に確認してください。

風速17mはどのくらいの強さか

青空と風になびくススキの穂

風速17メートル毎秒は体感としてかなり強い風です。

秒速表示をキロメートル毎時に換算すると約61キロメートル毎時になります。

体感目安

歩行がしにくく、傘はさしにくいか壊れやすい状況です。

自転車や軽車両は煽られやすく、バランスを崩す危険があります。

海上では白波が立ち、波しぶきが高く舞い上がるため濡れやすく感じます。

気象区分

一般に、この程度の風は「強風」に該当することが多いです。

ボーフォート風力階級ではおおむね7の上限から8の下限に近い値に相当します。

ただし、区分や表現は国や機関によって若干異なるため注意が必要です。

最大瞬間風速との違い

報道や予報で示される風速は種類があり、平均風速と最大瞬間風速は別物です。

日本では観測上、10分平均の風速値が使われることが多いです。

そのため最大瞬間風速は平均風速の1.5倍から2倍程度になることが多く、瞬間的にはさらに強い力が働きます。

風圧と力の目安

風がもたらす圧力は速度の二乗に比例します。

項目 目安
風速 17 m/s 61.2 km/h
動圧 約177 N/m2
力換算 約18 kgf per m2

このため一平方メートル当たり約177ニュートンの力が働きます。

建物の部材や看板にかかる力は面積や形状で変わるため設計値の確認が必要です。

屋外物の飛散危険

風速17メートル毎秒では軽い物品が飛散しやすくなります。

  • プラスチック製のゴミ箱
  • 園芸用の鉢や植木
  • 折りたたみテーブルやイス
  • 薄い看板やのぼり旗
  • 飛ばされやすい屋外シート類

固定が不十分なものは室内に移すか、しっかり固定してください。

視界・航行への影響

陸上では砂やほこり、雨粒が斜めに飛び視界が悪化します。

海上では波の高さと飛沫が増えて小型船は非常に危険です。

航空や航行の影響は地域と条件によって大きく変わるため、航行前に最新の情報を確認してください。

予報表現と注意報基準

気象庁などは予報で「強風」や「暴風」などの語を使い、危険度を示します。

注意報や警報の基準は地域ごとに異なるため、ローカルな基準を確認することが重要です。

目安としては平均風速で15メートル毎秒前後が強風注意の目安とされる場合が多く、17メートル毎秒は注意を促すレベルです。

予報文の「最大瞬間風速」にも注意し、屋外の対策は瞬間的な強風を想定して行ってください。

日常生活で起きる具体的影響

青空に舞う凧と都市の風景

風速17メートル毎秒は日常生活で体感しやすい強い風にあたります。

ここでは傘や歩行、洗濯物など身近な場面で想定される具体例と対策を分かりやすく説明します。

長傘はひっくり返りやすく、骨が折れることがあるため注意が必要です。

折りたたみ傘も突風に弱く、飛ばされて周囲に当たる危険があります。

可能なら傘を使わずに合羽や撥水の上着で雨をしのぐことをおすすめします。

どうしても傘を使う場合は、向かい風を避けて風上に向かって差し、しっかりと握ってください。

歩行

歩行中に横から強い突風を受けるとバランスを崩しやすく、転倒の恐れがあります。

橋の上や開けた歩道、海沿いなど風の通りやすい場所は避けたほうが安全です。

荷物は体に密着させ、両手を使える状態で歩くと転倒リスクが下がります。

高齢者や小さな子どもは特に注意して、必要がなければ外出を控えてください。

洗濯物

洗濯物は飛ばされやすく、隣家や道路へ落ちると迷惑や危険を招きます。

  • 室内干し
  • 重り付きピンチ使用
  • ネットでまとめて干す
  • 外に干す場合は短時間で済ます
  • 雨天と風予報を確認して判断

外に干す際は強風にさらされない場所を選び、風が強いときは持ち帰る習慣を付けると安心です。

植木・鉢物

鉢植えは風で転倒しやすく、割れたり道路に落ちて危険を招くことがあります。

軽いプランターは地面に固定するか、重たい鉢に移し替えると被害が減ります。

庭の植木は風上側に支柱を立てて補強し、風の強い日は屋内や軒下に移動させてください。

窓ガラス

飛来物が当たるとガラスに亀裂が入ったり、最悪の場合は破損して飛散する恐れがあります。

被害レベル 想定される状況 推奨対応
表面の擦り傷 内側から養生テープ
ひび割れ 応急処置と業者依頼
全面破損 立ち入り禁止と早急な交換

ベランダや窓の外に置いてある物は飛来物になりやすいので、外に出しているものは室内へ取り込むことをおすすめします。

車両別の影響

強風にあおられるヤシの木と曇り空

風速17メートルは自転車やバイクなど二輪車にとって体感以上に危険をもたらします。

車両ごとに受ける影響が異なりますので、状況に応じた行動が重要です。

自転車

横風を受けると車体が急に流れ、バランスを崩しやすいです。

特にハンドルが軽いタイプや荷物を積んだ前かごは影響を受けやすくなります。

無理に走行せず、以下の対策を検討してください。

  • 降車して押して歩く
  • 歩道を利用する
  • 道路の内側を走る
  • 荷物を背負うか手放す準備をする

交差点や橋の上では突風が発生しやすいので、必ず歩行に切り替えてください。

原付バイク

原付は低速でも横風に弱く、ハンドルを取られやすいです。

トップケースなど風を受ける荷物を装着している場合はさらに不安定になります。

走行中は速度を落とし、車体を起こし気味にして風に対処してください。

危険を感じたら路肩に寄って停車し、周囲の安全を確認のうえ走行再開を判断してください。

大型バイク

車体が重く見える大型バイクでも、重心が高いツアラーやアドベンチャーは横風の影響を受けます。

高速道路ではトラックの風下でふらつきが生じやすく、ハンドル操作に注意が必要です。

高速巡航を避け、車間を取って安定した速度で走行してください。

可能であれば走行を控え、移動を延期することをおすすめします。

軽乗用車

軽自動車は車体が軽く、側面で風を受けると流されやすい特徴があります。

窓を閉めてハンドルをしっかり握ることが基本の対応です。

車種例 想定される影響
コンパクトカー 横風での微小な流れ
ミニバン 側面の風受けやすさ
軽自動車 軽量による影響増加

追い越し車線での被流されやすさを考慮し、速度を適切に落として走行してください。

トラック

大型トラックは風による側面荷重を受けやすく、場合により安定性を損ないます。

高床の車両や積荷が多い車は横風でのあおりやすさが増します。

交差点や橋の手前では速度を落とし、急な操作を避けてください。

荷崩れや積荷の飛散を防ぐため、運行前に固定状態を必ず点検してください。

建物・屋外設備の被害想定

青空と風になびくススキの群生

風速17メートルは強風域に相当し、屋根や外装などに目に見える影響が出ることが多いです。

被害の程度は築年数や素材の劣化状況、取り付け状態によって大きく変わりますので、早めの点検をおすすめします。

屋根材

瓦や金属屋根は風の巻き上げを受けやすく、隙間や浮きがあるとめくれや飛散に至る場合があります。

築年数が経過している場合や固定金具が緩んでいると被害が起きやすく、部分的な補修で済むこともあれば広範囲の張替えが必要になることもあります。

特に棟板金や谷板部分は風圧の影響を受けやすい箇所ですので、点検と固定の確認を行ってください。

窓ガラス

風速17メートルでは直接的にガラスが割れることは稀ですが、飛来物の衝突やサッシの変形によって損傷が発生する可能性があります。

損傷の種類 想定条件
ひび割れ 小石や枝の衝突
ガラス破損 高所からの落下物
サッシの変形 継続的な強風

二重窓や強化ガラスは被害を抑えられる傾向にありますが、シール材の劣化があると気密が落ちて割れの原因になります。

外壁

外壁は塗装の剥がれや、モルタルのひび割れが目立つようになります。

軽量なサイディング板などは風圧で浮きが生じやすく、固定ビスの緩みがあると部分的に剥がれるリスクが高まります。

素材によっては塩害や経年劣化が進行していると被害拡大が早くなりますので、早めの対応が重要です。

ベランダ・手すり

ベランダ上の物が風で飛ばされると下階や道路に落下する恐れがありますので、事前の片付けが有効です。

手すりやフェンスは接合部の緩みがあると変形や倒壊につながる可能性があります。

  • 植木の固定
  • 軽量物の撤去
  • 飛散防止ネットの設置
  • 手すりの締め付け確認

必要があれば養生シートや簡易補強で被害を抑えてください。

看板・広告塔

看板や広告塔は風を受ける面積が大きいため、構造物に与える力が大きくなります。

古い取り付け金具や腐食したボルトがある場合、最悪で倒壊して周囲に重大な被害を及ぼすことがあります。

大型の突出看板や布製バナーは風を受けてはためき、支持構造に疲労を蓄積させるため、事前に固定状態を点検してください。

専門業者による定期点検や応急措置を検討することをおすすめします。

屋外活動別の注意点

強風で倒れた木と森林の被害状況

風速17メートルは屋外活動において見過ごせない強さです。

ここでは代表的なアウトドアシーンごとに想定される危険と具体的な対策を述べます。

登山

尾根や稜線では突風が発生しやすく、とくに岩場ではバランスを崩しやすいです。

風の影響で体感温度が大きく下がるため、保温性の高いウェアを重ね着してください。

登山道では倒木や飛来物の危険があるため、樹林帯の判断と退避場所の確認を事前に行ってください。

天候が不安定な場合は無理に登頂を目指さず、早めに下山する選択を優先してください。

キャンプ

テントやタープの固定が不十分だと、破損や飛散の原因になります。

設営場所は風の通り道を避け、地形の影響で風が強まる場所は避けてください。

  • 強風対策用のガイライン
  • 重りとなる荷物や砂袋
  • 風を避けられる張り方
  • ペグの追加と深打ち

火の扱いは特に注意し、焚き火やガスストーブは風下で使用しないでください。

夜間も張り綱やペグの緩みをこまめに点検し、安全を確認する習慣をつけてください。

釣り

磯や堤防では波の影響と風の相乗で転倒や転落の危険が増します。

ライフジャケットは必ず着用し、滑りにくい靴を選んでください。

風上でのキャストは仕掛けが流されやすく、ロッド操作で疲労が増すため注意が必要です。

海況が悪化したら速やかに釣り場を離れ、安全な場所へ移動してください。

海岸

海岸では高波や急なサーフの発生が起きやすく、接近は非常に危険です。

以下は主な危険とその対策を簡潔にまとめた表です。

危険 対策
高波の発生 立ち入らない
飛来する瓦礫 離れて観察
砂の吹き上げ 目の保護具着用

波打ち際の見えない痕跡的な急変に備え、子どもやペットから目を離さないでください。

公園レジャー

広い公園でも強風による木の枝折れや落下物が起きるリスクがあります。

シートや軽い遊具は風で飛ばされやすいので、必ず固定してください。

遊具の使用は管理者の指示に従い、危険と判断されれば利用を控えてください。

屋外バーベキューなど火を使う行為は風が強い日は控えるのが無難です。

緊急時の優先行動

晴天の中でほこりが舞う畑と山の風景

緊急時はまず身の安全確保を最優先にしてください。

屋外にいる場合は頑丈な建物内に避難して、窓から離れてください。

屋根や看板などの飛散危険物は、可能なら固定し、無理な作業は避けることが重要です。

車は道路脇の安全な場所に停め、ドアをロックしてハザードを点灯してください。

ラジオや気象情報をこまめに確認し、自治体の避難指示に従ってください。

高齢者や子ども、ペットの安全を優先して支援することが大切です。

必要なら避難袋や携帯の充電を確認し、家族と安否を共有してください。